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奇襲・鬼殺し戦法の対策【6ニ金と6ニ銀】

鬼殺し戦法の対策【6ニ金と6ニ銀】

鬼殺しは奇襲戦法、ハメ手と言われる戦法です。
鬼殺しは成功すると絶大な攻撃力を持つ戦法ですが、対応策を知ってしれば受け潰すことが出来ます!

鬼殺しの狙いは単純なので、実戦では時間を使うより、事前に対策を丸暗記してしまいましょう。

鬼殺しにやられてしまう初心者の方は、是非読んでいただけると嬉しいです。

すぐに対策だけを見たいという方は、こちらをクリックしてください。

今回は鬼殺しの対策を紹介するので、局面図は先後を反転しています。

鬼殺しの基本図

初手▲7六歩 、2手目△3四歩、3手目に▲7七桂!
これが鬼殺しを指す意思表示!(基本図)

3手目▲7七桂

序盤から桂馬の見慣れない動きが鬼殺しの特徴です。

鬼殺し戦法の成功例

基本図から△8四歩▲6五桂と先手が動いてきます。

5手目▲6五桂
後手は5三を受ける必要がある

後手は5三の地点を守るため、△6二銀で受けます(後に分岐があります)。

6手目△6二銀

△6ニ銀から▲7五歩△6四歩▲2ニ角成

7手目▲7五歩

△6ニ銀で5三の地点を守った手に対して、先手は▲7五歩と突きます。

後手は△6四歩で桂馬を取ろうとします。対して先手は桂馬を放置して、▲2ニ角成と角交換をします。

9手目▲2ニ角成

▲2ニ角成から△同銀▲5五角△3三銀▲6四角△5ニ金

11手目▲5五角打

角交換から▲5五角が攻めの継続手。
▲5五角に後手は6四の歩と、2ニの銀のどちらかを守らなければなりません。

後手は角を持ち駒に温存しておきたいので、△3三銀と受けます。

△3三銀に、先手は▲6四角で歩を取り、後手は5三の地点を守るため、△5ニ金と受けます。

14手目△5二金

△5ニ金から▲7四歩△6三金▲7八飛△6四金

15手目▲7四歩

後手が5三の地点を受けてきたので、先手は7筋を狙って▲7四歩とします。
▲7四歩に△同歩は8ニの飛車がタダで取れます。

後手は7四の歩と6四の角を狙い△6三金と金を上げてきます。
しかし、先手は取られる角を放置して、▲7八飛で7筋に戦力を足します。

17手目▲7八飛車

後手は△6四金で放置された角を取ります。
△6四金の瞬間、後手は大駒の角が2枚あり、駒得をして有利に見えますが…

18手目△6四金

△6四金から▲7三歩成△同桂▲同桂△同銀▲同飛車成(鬼殺し戦法成功)

23手目▲7三飛車成

後手が角を取るために金が上がり、7三の地点への効きが薄くなった瞬間に▲7三歩成から仕掛けます。

▲7三歩成△同桂▲同桂△同銀▲同飛車で、後手は大駒を一枚多く持っています。

しかし、後手は7一竜の王手の筋や浮いている6四の金をケアする必要があり、先手に主導権があり鬼殺し戦法成功です。

鬼殺し戦法の2つの対策

前述では先手の鬼殺しが成功しました。

これから鬼殺しの対策について紹介します。

①6二金型と②6二銀(3三角打ち)型に分かれます。

個人的にはしっかり受け潰す6二金型がおすすめです。

鬼殺し対策① 6ニ金型

初手▲7六歩から△3四歩▲7七桂△8四歩▲6五桂

そして▲6五桂に対して△6ニ金が鬼殺し戦法対策の一手!!

6手目△6ニ金

成功例の時は6ニ銀と指しました。一見違いがないように見えますが、後に金が上がった意味がわかります。

△6ニ金から▲7五歩△6四歩▲2ニ角成△同銀▲5五角打

11手目▲5五角打

▲5五角打の局面ですが、6ニにいるのが銀なのか、金なのか以外は全く違いはありません。
しかし、6ニ銀ではなく、6ニ金が良いのか理由がわかります!

▲5五角打には△6三金!!

12手目△6三金

△6三金と上がった時に、①6四の歩を守る②5三の歩を守る③2二銀に飛車の紐がつく、3つの役割が果たされています。

仮に△6三銀だと①6四の歩を守る、③2二銀に飛車の効かせることは出来るのですが、銀が真横に駒の効きがないので、②5三の歩を守ることが出来ません。

参考図12手目△6三銀
銀では5三の歩を守ることが出来ない

△6三金で相手の攻めは不発に終わっています。
この後は、相手の角で飛車を取られない、玉等が上がり飛車の効きが無くなることに気をつければ大丈夫です。
△6三金から少し進めると、▲7三桂成△同金▲7八飛△6三金▲7四歩△7ニ飛で受け切れます。

先手は飛車、角だけでは攻めれない

鬼殺し対策② 6ニ銀、3三角打型

6ニ金で先手の攻めを全て受け切る形を紹介しました。
2つ目の対策は途中まで相手の思惑通りに動いて、カウンターを仕掛けるやり方です。

基本図から△8四歩▲6五桂△6ニ銀

6手目△6ニ銀

▲7四歩△6四歩▲2ニ角成△同銀▲5五角△3三銀▲6四角

13手目▲6四角

13手目▲6四角までは鬼殺しの成功例と手順が全く一緒です。
鬼殺し成功例の時は、5二金で5三の地点を守りましたが、△7七角打ちがカウンターの一手!

14手目△7七角打

先手が奇襲を仕掛けてましたが、後手が先に王手をかけました!
先手は6八飛車で王手を受けます。
それ以外の手は、後に7筋に飛車が移動して7三の地点を攻めることが出来ないので指しにくい手です。

△7七角打から ▲6八飛 △4二玉 ▲7四歩 △7二金

18手目△7二金

5三の地点を受けるために△4二玉と上がります。6一の金は7二に移動するため温存しておきます。

△7二金から▲8八銀 △6八角成 ▲同玉 △6三金

22手目△6三金

7二金~△6三金で相手の角と桂馬の効きを気にしながら、角に狙いをつけていきます。

▲7三歩成 △同 桂▲同桂成 △同 銀 ▲5五角

27手目▲5五角

△6三金で角に当たられた先手は▲7三歩成から暴れてきますが、6三にいる金が7三の銀を守り、相手の角を追い返すことが出来ました!

この後は①△4四銀や②5六歩で更に角をいじめて、△7六桂打でふんどしの桂をするなどの狙いがあり、後手が指しやすい状況です。

ただ個人的には右側の金と銀の連結など、全体のバランスを気にしながら指す必要があるのが気になります。

最後に

今回は鬼殺しの成功例と対策について紹介しました。

①6ニ金型と②6二銀型のどちらが良いかと気になる方もいると思います、ソフトで検討してみると6ニ金を推奨してました。

桂馬が突然跳ねてくる動きに慣れないかもしれませんが、5三と7三の地点に気をつけながら処理していけば必ず鬼殺しを防ぐことは出来ます!

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